電車に乗ったら同じ顔をした女性二人がいた。 それほど込んではいない電車に僕が乗り込む。シートは7割が埋まっているという程度だ。僕はその中で空いているところを見つけ、車両のちょうど真ん中辺に座る。僕の右隣には黒いジーパン、黒いTシャツ、シルバーアクセサリーをジャラジャラと付けた、80年代パンクのような格好の女性がうつむいて、目を閉じて座っている。 うーん、かっこいいなぁ、美人だなぁとのんきに僕は考える。 そして僕は向かいのシートに座る人たちを右から順番に見た。 サラリーマン風の男、引退してゴルフ三昧っぽい男、高校生の女、その隣は二人分シートが空いて、白いTシャツとブルージーンズを身につけた女・・・、そこで僕の目は止まる。 あれ、この女性の顔、つい最近見たような。それも数十秒前に。 白い彼女もうつむいて目を閉じているのだが、僕の隣に座るパンク女と同じ顔。 彼女達は二人とも髪が短く、表情は良く見える。うーん、美人が二人だ、なんてのんきなことを考えている場合ではないが少し考えてしまった。 まなかなみたいに双子かなにかなのだろうか。しかしそれなら隣同士で座っている気がする。まなかななんていつも同じ服すら着ている。 僕は隣に座るパンク女の横顔をじろじろと見て覚える。不審者丸出しだけれど、どうせ寝ているし見たっていいだろう。同じく僕の向かいに座る白女の正面顔をじろじろと見る。 電車は次の駅に到着した。彼女達二人が降りる気配はない。人が多く電車に押し寄せる。 僕はその時に、パンク女の隣から席を立ち、白女の左隣に座る。女性の隣から別の女性の隣に座りなおすという不審行動を起こす僕。いやぁ、通報されなくてよかった。 これで僕の右隣には白女、向かいにパンク女という形だ。 隣の白女の顔を見る。さっき覚えたパンク女の横顔とまったく一緒。 向かいのパンク女の正面顔を見る。さっき覚えた白女の正面顔とまったく一緒。 もんもんとしたまま電車が次の駅に着くと、白い彼女は冬眠から覚めたように起き、さっさとホームに下りていった。パンク女に声を掛ける様子も無ければ、存在に気付いてすらいないようだった。 パンクの彼女は僕の向かいに座ったまま、うつむき、眠っているように見えた。 「なぁなぁ知ってる?うちのクラスの高橋が万引きして捕まったって」 「ああ、あいつバカだったからな」 「万引きなんてくだらないことよくやるよな」 「でもさぁ、うちの担任の波野ってまじめだよねぇ。万引きして捕まるなんて」 「ホントだよ。万引きするなんて、どれだけ真面目なのかなあいつ」 「私がもし担任だったら絶対万引きなんてしないけどね」 「そりゃそうだ。お前がそんなに熱心に先生やれるとは思えないよ」 「波野ももうちょっといいかげんに先生やればいいのにね」 「バカなんだよ。真面目バカ」 「まったくね。『生徒が万引きをして捕まったのに、私は万引きをしたことすらありません。これでは生徒と同じ目線に立って教育することなどできません。彼の気持ちを理解することなどできるはずもないんです』って、くそ真面目だよねあいつ」 僕は普段着慣れないスーツを身にまといエレベーターを待っている。 「あ、ちょっと」 後ろから声を掛けてくる男がいる。男のスーツ姿はどこかぎこちない。 彼は続ける。 「あなたも会社説明会スか?いや、なんとなくスーツが似合ってないっていうか、ぎこちないって言うかだったからさ。そういう俺もそうなんスけどね」 「普段は全然スーツ着ないからね」 「そうッスよね。あ、エレベーター来たよ。5階のポップコーンデザイン・・・と」 「ありがとう」 僕らはエレベーターに乗り込んだ。他に誰も乗る様子はなく扉は僕らを外界から遮断する。 「そういえば、知ってるスか?」 「いや、なにを?」 彼は真剣な顔つきで話し始める。 「俺たちが受けるポップデザインって、社長がかなり若いみたいッスよ。俺たちとほとんどかわらないくらいだって話です。すげぇよなぁ。そんな年でビルワンフロア借りて会社やってんだからさ。金持ってんだろうなぁ。毎日違う女と会ったり、うまいもの食べたりして・・・」 エレベーターが5階にたどり着く。僕と彼は並んで歩き、ポップコーンデザインという文字が印刷された自動ドアの前に立ち、中に入る。 中には会社説明会の受付係、「伊藤アキナ」がいた。 彼女は彼に挨拶をする。おはようございます、よろしくおねがいしますと返す彼。そして彼女は僕に挨拶をしてきた。 「おはようございます。めずらしいですね、社長がスーツを着ているなんて」 ピピピピピ。携帯電話がなる。女は電話を受ける。 「うん、うん、女友達と一緒にご飯食べてるだけだよ。うん、それじゃあね」 ピッ 「なぁに、またあんたの彼氏?一時間に一回は電話かけてくるじゃない」 「彼って心配性だから」 「心配性って言うよりも、完全に束縛されちゃってるじゃん。あんたそれでいいの?」 「でも、愛されてるんだなって思えるから、私はこれでいいんだ」 「・・・まぁ考え方は人それぞれだけどさ」 「ちょっとごめんね。向こうで電話かけてくるから」 「うんそれはいいけど、さっきからあんた30分に一回くらい電話かけてるけど、どこにかけてるの?」 「彼氏」 時計は午後の7時きっかりを示している。 僕はタバコに火をつけた。それを見て友人が口を開く。 「なぁ、タバコを一本吸うと寿命が3分くらい縮むって知ってるか?」 「3分?肺ガンとかになりやすくなるってのはわかるけど、きっかり3分なの?」 「個人差はあるけど、お前は3分だな」 僕は煙を肺に押し込み、そして吐き出す。 「なんなんだよ、僕は3分ってさ。どうしてわかるんだよ」 「わかるんだよ、俺にはさ」 僕はもう一度煙を飲み込むと、それを吐き出しながら友人に詰め寄る。 「教えろよ、どうして僕は3分なんだよ!」 少しの沈黙の後、僕は吸っていたタバコをもみ消した。友人が時計を指差す。 時計は午後の7時3分を示していた。 深夜のパートを終えて、午前6時30分に妻が帰ってきた。 僕は朝食を食べている最中で、妻と一言二言話し終えた後で僕の携帯電話が鳴った。 「もしもし、渋井ビール工房の夏本アツシさんの携帯電話でしょうか?」 「いや、違います。番号間違えたんじゃないですか?」 「間違いありません。番号は090−○○○○ー△△△△なんですけれども」 「いや、やっぱり僕ではないですね」 「申し訳ありません。失礼します」 「間違い電話だったよ」僕は妻にそう告げた。 妻がシャワーを浴びにバスルームへ行った。僕は妻の携帯電話を勝手に手に取るとメモリーの中から「夏本」という名の登録番号を確認する。 シャワーから出てきた妻に対して僕は告げる。 「お前、浮気しているだろ」 「・・・何を言うの?突然」 「僕が浮気調査を依頼していた探偵からさっき電話があったんだ。君の浮気相手は、渋井ビール工房に勤める夏本アツシ。携帯の番号は090−○○○○ー△△△△。間違いないだろ?」 「うわー、見てよ、すごいキレイだね、あの花火」 「うん、君の方がキレイだよ、ずっと」 「フフッ。あ、見てまた上がったよ、うわー、綺麗だなぁ」 「君の方が断然ステキだよ」 「・・・その言葉はうれしいんだけど、もっとちゃんと会話を返してよ。花火の話をしてるでしょ私は」 「だから僕だって花火の方がキレイだってなんども言ってるじゃないか!」 「ねぇちょっと、君は僕と一緒にいてもいつも本ばっかり読んでるけど」 「・・・うん」 「そんなに僕と一緒は退屈?もう僕を好きじゃないとか?」 「そんなことないわよ。あなたのことは大好きだし、一緒の時間はとても楽しいわ」 「じゃあなんでずっと黙って本を読んでるんだよ」 「あなたの性格はすごい好きだし、価値観だって合ってると思ってる。顔も好みだし、物事を押し付けることもなければ、変な見栄も感じられないし」 「だったらなんで?」 「でもあなたの声だけは大嫌いなの」 「最近俺寝不足なんだよね。疲れも溜まってるし」 「どうしたんだよ。深夜番組でも見てるのか?」 「ハルコがしばらくの間俺の家に泊まってるんだよ」 「なんだよ、のろけかよ、うらやましいな」 「だから毎日ハルコが寝てからナツミのところに行って、ハルコが起きる前に帰らないと悪いんだよ。寝不足だし疲れたし、大変だよ」 中年夫婦が宝石店に足を運んだ。 「あら、このダイヤの指輪いいわね、ねぇあなた」 「そうだな」 「そっけないわね。私に似合うと思わない、コレ?」 「きっと似合うだろ」 「あ、ちょっと店員さん、これ指にはめてみてもいい?」 「どうぞどうぞ。ご結婚記念日でのご購入ですか?」 「そうなの。もう結婚30年にもなるわね。まぁ、この指輪私にぴったり」 「これはこれは、大変お似合いでございます」 「やっぱりそうよね。結構お安いから、二つ買って夫婦でおそろいにしようかしら、アハハ」 「それは最高でございますね。なにせそのダイヤはイミテーションですから」 「僕は君の事を本当に愛しているんだ」 「ええ私もです王子様。しかし私はただの一般市民。身分が違います」 「そんなこと関係あるものか。いつか父上にも、王様にもわかってくれる時が来る」 「・・・・・・」 「わかってくれないのなら、あんな王室、こっちから飛び出してやるまでさ」 「バカなことは考えないでください。私は今のあなたと一緒にいられれば幸せなのです」 「ダメだ。僕は君と結婚したい。これほどまでに愛し合っているのだから」 「聞いてくれ。僕は君と結婚できることになった」 「本当ですか王子様!」 「・・・僕はもう王子ではないんだ。あんなものわかりの悪い王室、飛び出したんだよ」 「それじゃあ・・・」 「そうさ、もう身分の壁なんてないんだよ。僕らは結婚できるんだ」 「・・・一つだけ、あなたのお心をお聞きしてもよろしいですか?」 「なんだい?なんでも聞いてよ」 「王子でなくなったあなたの一体どこに魅力があると言うのでしょうか?」 「レポート大変そうだな」 「うん、明日の午前中までに提出しないといけないからね」 「『一般相対性理論の及ぼした経済的意義について』・・・難しそうだな」 「でもやらなきゃ卒業できないしね」 「俺にはさっぱりだよ」 「難しいもんな」 「何か俺に手伝えることないかな。いつもお前には助けてもらってるしさ」 「いいよ、気にするなって」 「俺だってたまにはお前を助けたいんだよ」 「そう、なら一ついいかな。実は君にしか頼めないことなんだけど」 「いいよいいよ、なんでもやるよ」 「この部屋からいますぐ出て行ってくれ」 「なぁジョージ。僕は本当に妻を、マリアを愛しているんだよ」 「今はお前の友人としてじゃなく、離婚調停の弁護士として話しているんだよ俺は」 「ゴメン悪かった。それなら弁護士さん、本当、今回の浮気は出来心だったんだよ」 「お前は出来心で俺の妻と寝たのか!なぁオイ!」 「・・・すまん、本当に。俺のせいでお前の夫婦ももう、離婚なんだってな」 「いや、つい声を荒げてしまって。いいんだ気にするな、妻の心に隙があったってことなんだから」 「すまん」 「もうお前も離婚は免れないよ。なるべく慰謝料を取られないように、がんばるからさ」 「ありがとう。お前の夫婦関係まで壊してしまった俺にも、やさしいんだな」 「よせよ」 「本当に、これからもいい友達でいてくれよな」 「もちろんだよ」 一人になったジョージは携帯電話を取り出して電話を掛ける。 「あ、もしもし、マリアか。うん、予定通り妻はあいつと寝て僕は離婚できたし、その浮気問題を取り上げれば君も問題なく離婚できるよ。これで僕達二人の間の障害はなにもなくなったってわけだ」 テレビを見ながら雑談をする男が二人いた。 「ちょっと今、頭から離れない女の人がいてさ」 「へぇ」 「交差点ですれ違っただけなんだけどさ、どうも気になって気になって」 「ふーん、一目惚れなんじゃないの」 「うーん、そうなのかなぁ。名前もなにも知らないのにさ、変かな?」 「変じゃないだろ、うらやましいよ」 「・・・あ、すげぇ、この人だよこの人。見たことがあると思ったんだよなぁ」 テレビに向かって友人が指を指した先には指名手配犯の顔写真が写っていた。 日本では水も安全も無料で当たり前だった。 いつ頃からか、水道水はどんな薬品、成分が入っているかわからないからミネラルウォーターを飲むという習慣が広まった。ピッキング対策に鍵を二つ設置したり、セキュリティ会社と契約したりと、安全をお金で買うようにもなっている。 世知辛いことだ。 ここから類推するに、今無料のものでも将来はどうなるかわからない。 つまりこんな状況もありえるのだ。 ハンバーガーショップに入る僕。入り口すぐ脇に置いてあった情報マガジン『ホットペッパー』が目に入ったので手に取る。 「いらっしゃいませー」 レジの女性の微笑みに癒される。笑顔のまま注文を聞いて来た。 「ご注文はなにになさいますか?」 にっこりと微笑み直して、僕の返答を待っている。僕はハンバーガーとドリンクを注文する。 「かしこまりました」 彼女はまた僕に笑顔を見せ僕に言う。 「お先に会計ですけれど、合計で1850円になります」 僕は絶句した。おかしい。バーガーとドリンクでそんなにするわけがない。 説明を求める。 「はい、まずハンバーガーが100円。ドリンクが150円。ホットペッパーが100円で、スマイルは1回につき500円ですので、私はあなたに3回微笑みましたので、1500円。合計で1850円になります。まさかあなたホットペッパーとスマイルがただだとでも思ったんですか?」 世間の厳しさを学びアパートに帰る僕。 するとアパートの前を掃除しているおばさんの姿が目に写った。ああ、こんなご時世でもボランティアで掃除をしてくれる人がいるんだなぁ。 おばさんがつかつかと僕に歩み寄り、一言。 「あんたの家の前、ボランティアで掃除してあげたから1000円ちょうだい」 有料になるのはどうか水と安全だけであってほしい。 僕の方向音痴も最終段階。 常々僕は方向音痴ですよということを自慢しているんだけれど、最近またドンドンひどくなってきた。すぐに迷子になる。地図を持っていてもそれを見ないで勘で歩く僕が悪いのはわかっているんだけれども。 「うーん、全然ここがどこかはわからないんだけれど、右に曲がったら目的地があるな」 そんな思考回路。もちろん曲がったって目的地があるわけない。 「じゃあ左だな」 あるわけない。そして迷子。 ここまでなら今までの僕となんら変わりはないのだが、まあそれはそれで問題だけれど、最近僕の身に起こった出来事はこれだ。 友人と歩いていた。見知らぬ土地なので、そこがどこなのかなんて全然わかってない。 僕「ここってどこ?知らない土地って少し歩いただけでも遠く感じるよな」 友「・・・俺のアパートに向かってるだけだよ。お前三回くらい遊びに来てるだろ」 そろそろ自分のアパートの場所すら忘れそうなので、メモを持ち歩こうと思う。 コンタクトレンズを考えたのは誰なんだろう。 まぶたの裏に直接レンズを入れる発想がすごい。しかもハードならまだなんとか理解もできるが、ソフトなんてもうビニールでしかないのに、なんであれで良く見えるようになるのか全然わからない。 最近では使い捨てのカラーコンタクトが発売されたり、目に直接レンズを埋め込んでしまう手術も実用化されそうな勢いだ。技術の進歩はめまぐるしい。 コンタクトの台頭によってメガネはもはやファッションとしての要素しか残っていない。 その点マスクは全然進化していない。 耳にゴムや紐を掛けて、口に布を当ててフィルターにする。多分マスクが考案された時代からデザインに大差はないだろう。 マスクを付けるとかっこわるい。 そういう理由で、風邪気味でも、花粉症でもマスクをしない人はいるんじゃないかと思う。 今の技術ならコンタクトマスクくらいできそうだ。口の中にマスクを設置する技術。のどちんこの前あたりに設置をするマスクだ。 これができればデザイン的な問題でマスクをしなくなる人はいなくなるし、生活の邪魔にもならないし、完璧だ。これは売れる。億万長者だ。 「店で酒とか飲んだら、そのマスクで捕まえてた菌とかゴミが胃の中に流れていかないか?意味ないじゃん」 そういうときは、たとえ人前だろうとなんだろうと口の中に手を突っ込んでマスクを外せば良いじゃない。パンが無ければケーキを食べれば良いじゃない。 デザインを重視したらそれ相当の代償を払うのは当たり前なのに、それを権利だけ主張して義務を怠るなんて、子供じゃあるまいし、まったく。 とにかく僕はこれで一発当てるので、コンタクトマスクが発売された際にはぜひ買ってくださいね。 男「君の瞳に乾杯」 女「フフッ、乾杯」 男「さぁ、飲んでよ」 女「あ、ちょっと待って」 おもむろに口を思い切り広げる女性。 右手を口の中につっこむ。 親指と人差し指で口の中から白い布を取り出した。 取り出した白い布をポケットにしまいこむ女性。 女「うん、もう大丈夫。ゴクッ。うん、おいしい」 男「・・・あ、そう。・・・ははは、それはよかった・・・ははは」 僕は普段まったくテレビを見ない。 今月はまだ5分くらいしか見ていないと思う。それも友人宅でただ流れていたテレビを何の気なしにチラッと見ただけだ。 これを言うと大抵こう返される。 「じゃあ一人で家にいるときは何をしているの?」 僕に言わせれば、じゃあ君は家にいるときはテレビを見るしかないの?と逆に質問したいんだけれど、そこはグッとこらえて質問に答えよう。 別にテレビなんて見なくてもすることは結構ある。 ・音楽を聞く ・本を読む ・インターネット ・酒を飲む ・ビールをグラスに注ぐ ・ビールを飲む ・「くー、うめぇ」 ・つまみを食べる ・またビールを注ぐ ・飲む ・「くー、うめぇ」 この際僕を見習って、みんなもテレビなんて見ずに僕の真似をしたらいいと思う。 リサイクルの無駄ということもあると思う。 誰もが読まずに捨てるようなチラシにたまに記載されている「この紙はリサイクル紙を用いています」の文字。 我々は環境のことを考えていますよ、ということをアピールしたいんだろうが、悪いけど誰も読んでいないから結局紙の無駄。たとえそれがリサイクル紙だとしてもだ。その点僕は紙ではなくデジタルデータでこの文章を公にしているので、紙の無駄にはならず偉いと思う。 もし本当に環境のことを考えているならば、どうだろう、いっそのこと広告の裏にでも印刷してみたらいいと思う。子供が落書きをするような、裏が真っ白な広告にだ。 郵便受けに入っている、誰も読まないようなチラシ。表には「あなたの悩みを解決します」とか「エッチなビデオがほしいならココ」とか書いてある。 裏を見ると「本日限り卵1パック98円。お一人様一つ限り」「カップラーメンがなんと一つ58円」とかそんな広告。 みな裏面の昔のどこかの広告見たさに、結構人気が出たりするかもしれない。 僕は一時期原付ばかり乗っていた。 歩いて数分のコンビニだろうと乗っていたし、高校通学も原付だった。 その当時の僕の運動と言えば、家の中で歩くことと学校の中を歩くことだけだった。 そんな生活を高校二年の夏から高校卒業まで続けていた。 大学入学の際に一人暮らしを始めた。原付を持ってくるのも面倒なので安い自転車を購入し、それを足にしようと考えた。大学は家から近く、自転車で5分程度なのだ。 その5分でもう息切れ。 生半可な息切れではなくもう肩で息をするぐらいだ。ハーハーゼーゼーしている。口の中も痰が絡んで喋れない。持久走のあとみたいになった。めまいもした。 この体力のなさはもう半端ではなかった。自分の体に愕然としたのを今でも覚えている。 そんな僕も今では、学校までの自転車で息切れをすることもないし、1kmくらいなら走れたりもする。ボーリングを3ゲーム続けることだってできるのだ。その後筋肉痛が三日間続いたりはするけれども。 うーん、僕も体力がついたなぁ。 他人にしてみたら小さな小さな小さな半歩だけれども、僕にとっては大きな一歩なのだ。 暑いときこそ温かいものを食べろと言われた。 冷たいものばかり食べていると、夏バテになったり体を壊したりすることが多いからこういうことを言うのだろう。これは教訓だ。 一見矛盾しているけれど、実際は教訓としての言葉というのはなんだかいい。 他にも何かできないかと考えてみた。 「嫌いな食べ物が出たときこそおいしそうに食べろ」 好き嫌いはなくしたほうがいいよ、という教訓 「心霊番組を見た後こそ一人でトイレに行け」 トイレくらいいつでも一人で行けるようになれよ、という教訓。 「雨が降っているときこそ外で遊べ」 寒さに負けない強い体をつくれ、という教訓 「納得できない命令を言われたときこそ大きな声でハイと言え」 上官の命令は絶対なんだぞ、という教訓 「自分のことよりまずお国のことを考えろ」 国のために散っていけるなんて名誉なんだぞ、という教訓 「異国人は皆敵だと思え」 油断するとそいつはゲリラだぞ、という教訓 人間が戦争をやめるのは一体いつになるのだろうか・・・。 世の中にはいろいろなジンクスがある。 個人が勝手に決めたジンクスもあれば、都市伝説のように多数の人に認知されているジンクスもある。Jリーグ開幕の頃にはミサンガが切れたら願い事がかなうというジンクスもあった。ちなみに当時僕はミサンガに切れ目を入れておいたのに全然切れなかったというのは内緒だ。 過去の傷に触れるのはここまでにしよう。 都市伝説タイプのジンクスに「横断歩道の白いトコだけ踏んで歩くと願い事が叶う」というものがあった。全国的に知られているのか僕らの住んでいたところだけなのかはわからないが、これだけ手軽に願い事が叶う方法もないだろうなと、ドラゴンボールを愛読していた当時の僕は思ったものだ。 もちろん白いトコだけ踏んで歩いたけれど願い事なんて叶わなかった。 そのジンクスがウソなんだとみんなが気付き始めた頃、また一つのジンクスが僕らの間を駆け抜けた。 「横断歩道の白いトコを踏まずに歩くと願い事が叶う」 戦慄にも似た衝撃だった。そりゃあないだろう。 白いトコだけ踏んで願い事が叶わないからって、じゃあ白いトコを踏まなかったら願いが叶うんじゃね、という発想がすごい。 いっそのこと 「横断歩道の白と黒を交互に踏んでいくと願い事が叶う」 というのはどうだろう。 こんなに手軽なジンクスもなかなかないと思う。 小さな優しさを見せる男はモテる。 レディファーストなんて言葉もある。あそこまで徹底しなくてもいいとは思うけれど、ちょっとドアを開けてあげたり、荷物を持ってあげたりがさりげなくできたらとてもかっこいい。 僕でも惚れる。 よし、僕もとても小さなことだけれど優しさを見せて人気者になろう。 二人で食事をしたとする。男の僕がドーンと払えばいいかなと考えていると、女性が「私も払うから割り勘にしよう」と言い出した。ここで一人で払うことにこだわっても仕方がない。提案通り割り勘でいこう。 ここで会計が3255円だったとする。 ぴったり割り勘でいくならば1627.5円なのだがそれはムリだ。 ここで僕の「小さな優しさ」が発動する。 そう、僕が1628円を払い、彼女に対しては1627円でいいよと言うのだ。 自分で言うのもなんだが、完璧な小さな優しさだと思う。僕の方が1円多く払うわけだからね。 いや、ここで相手が僕の小さな優しさに気付かない可能性もある。 ちょっとさりげなくアピールしてみよう。 「いやー、君は僕より1円安くていいよ。1円は僕が払うからさ。1円くらい気にしないでよ、本当、大丈夫だからさ。1円だからさ」 小さな優しさも、余りに小さすぎると嫌われるという、そんな例。 甲子園を目指し努力する高校生は多いだろう。 選手「俺、絶対甲子園に行きたいんです」 監督「電車で行けば結構近いぞ。お前それくらいのお小遣いもないのか?」 まぁこんなやりとりは『タッチ』の中のヤクザな監督だけでいいんだけれど、選手として甲子園のグラウンドに出られるのは一部の人だけだ。大半の選手は夢半ばで散っていく。 そしてこの散っていく人数が多ければ多いほど、甲子園は憧れ度を増し、また一段上の夢になっていくのだ。 つまりもっと甲子園に出られる人数を減らせば、どんどん甲子園の神格化は進んでいくだろう。そうすれば「俺甲子園に出たぜ」と言うだけでもう羨望の眼差し確定だし、甲子園の土なんかを女性に見せた場合にはもうメロメロになるだろう。 では出場人数を減らすのはどうすればいいか。 まず考えられるのは甲子園の開催を三年に一回にするという案。 しかし「俺が一年生の時に甲子園が開催だったんだよなぁ。出られるわけないよ」という事態に陥るのでこれはダメだ。 じゃあ県の選抜メンバーで甲子園に出るのはどうだろう。もはや学校単位の甲子園は廃止となり、県対抗の大会にするのだ。 しかし甲子園は学校単位で盛り上がれるのが醍醐味なのでこの案も却下だろう。 ということで僕は甲子園をワールド大会にしたら良いと思う。 日本一を決めるのではなく世界一を決めるのだ。 まず、今の甲子園のシステムを使って日本一の学校を決める。世界中の国々も同じ方法で各国一の高校野球チームを決める。そのチームたちが甲子園球場で対決すれば良い。 すげぇ、これに出られたら自慢になる。しかも優勝なんてしようものならもうメジャーリーグからオファー殺到だ。甲子園が人生を決めるといっても過言でもなんでもない。 選手「カントーク、俺絶対甲子園行キタインデース」 監督「甲子園カァ。スペインノココカラダト結構飛行機代トカ高イカラナァ」 冒頭で紹介した『タッチ』のヤクザ監督のやりとりもできなくなり、もう完璧だと思う。 高校球児が熱い汗を流す時期が来た。 日本一の高校野球部を目指し日々熱戦を繰り広げる甲子園。残念ながら喫煙や暴力問題で出場を辞退した高校もあるようだけれど、出場する高校生は精一杯頑張ってもらいたい。 別に結果なんて気にしなくていい。そんなことはどうでもいいんだ。 一番重要なことは、そう、なぜ野球部員は皆坊主なのかということだ。 厳密に言えば全校が坊主というわけではないのかもしれない。それは知らない。 坊主にすることで何か教育的な意味があるのかもしれない。それも知らない。 しかし現代日本では「坊主=野球部」という安易な等式が成り立つということは知っている。僕はいつだって被害者だ。初めて会った人には何割かの確率で大抵「野球部?」と聞かれる。 そのたびに僕は 「いえ、中途半端に出家してみたんです」とか 「パチンコ玉に憧れていまして・・・」とかボケなくてはならない。 いやまぁボケなくてもいいんですけれども。 高校野球もそろそろ坊主なんてやめて、髪型も自由にしたらいいと思う。坊主にしたい人はすればいいし、モヒカンにしたいならすればいい。自由に行こうよ。 そうすれば甲子園中継も 「さぁ○○高校のピッチャーのモヒカン、今日は球が走っていますね。おっとモヒカンふりかぶったー、モヒカン投げたー、あっとピッチャー返しか、モヒカン取ったー、アウトー、モヒカンナイスプレーです。あのモヒカンやりますねぇ」 と、とても親しみやすくなって視聴率も上がると思う。 少なくとも僕は中継を見る。 完全に飯の食い上げ。 昔は火を起こすのはそれは大変な作業だったと思う。木をゴリゴリと回し摩擦熱で火を起こしたり、石を叩き合わせて火を起こしたりと、並々ならぬ努力の末に火を手にしていたのだ。 今では、100円ライターを使えば、指一本で火なんて起こせる。原理は火打石なんだけれど、昔の人が見たらそれはもう魔法のようなものだろう。 これを踏まえて考えると、今ではものすごく大変な作業が、未来では指一本あれば事足りるということになるのだろう。水の確保だって、昔は井戸や川から汲んでいたのが今では水道からジャージャー出てくるのだから。 今では大変な作業だけれど、未来では指一本でできたらいいなと思うことを考えてみた。 「料理」 料理が指一本でできたら簡単だ。箱みたいなものに数種類の材料を入れ、作りたいメニューを選ぶと、あとは自動的に料理が出てくる、そんな機械。電子レンジがものすごく発達したらこんなものになるかもしれない。 「車の運転」 これもできたら便利だ。目的地を入力すればあとは勝手にコンピュータ制御に切り替わり、運転をしてくれる。高速道路なんかでは実用できるのでは?ということも聞いたことがある。これができれば事故も減るだろうし、飲酒運転なんて概念もなくなるだろう。 「イリュージョン」 どんな機械なのか想像もつかないけれど、指一本で人が消えたり、爆発から脱出できたりしたらどんなにすごいし便利だろうか。火事から逃げ遅れることも減り、ストーカーが追って来たって自分が消えてしまえばいいのだ。便利すぎる。 できれば「指一本でできるイリュージョン装置」を集中的に研究して、早く実用化してもらいたいところだけれど、研究者と引田天功さん辺りとの裁判が長引いたりして、意外と一般発売は遠くなってしまうかもしれない。 引田天功さんの気持ちはわかるけれど、ここはなんとかして研究者サイドの弁護士にがんばってもらいたいところだ。 完全に引いていたけれどね。 梅雨もどこかへ吹き飛んで暑い日が続いている。そんな中僕は昼過ぎに起き、エアコンも付けず、一日中ベッドに寝転がりながら本を読んでいた。 汗がバーゲンセールのように流れ出してくる。 僕のベッドは日光直撃大惨事で、しかもベッドに寝転がっているものだから布団と接している体がとても暑い。とてもじゃないがシャツなんて着ていられる状態ではないので、ジャニーズ事務所からスカウトが来るんじゃないかと思えるほどの上半身裸っぷりをしめやかに披露することになる。下はもちろんパンツだけ。お子様には刺激的過ぎる悩殺姿だ。 水も滴るいい女とはよく言ったもので、濡れた肌が光り、艶かしくその肉体を演出する。 今の僕はまさにそれだろう。水も滴るいい男だ。 全身水に濡れて(汗まみれなだけ) 男らしさ全開のフェロモンに包まれ(汗臭いだけ) 露になった肢体が降り注ぐ日光で神秘的な演出をされる(パンツ一丁で窓の近くに立っているだけ) 夕方に隣のアパートに住む友人が遊びに行って良いかと電話をしてきて、僕はOKを出し、それじゃあすぐお前の家に行くと言い電話を切られた数分後にドアのベルが鳴り、友人が来たのだなとパンツ一丁でドアを開けたら全然知らない人が女の人が立っていたので、彼女は僕の輝ける姿に惚れたと思います。 ああー、そろそろ彼女がまた家に来て 「あ、あなたに惚れました」 とか思いながらドアのベルを鳴らすんだろうなぁ(ドアを開けるとそこには警察官の姿が・・・) まいったなぁ(本気で) 穴、もしくは、石。 昔読んだ本にこんなことが書いてあった。 木が1つで「木」 木が2つで「林」 木が3つで「森」 木が4つで「ジャングル」 木木 木木 = ジャングル もちろん冗談なんだけれど、結構面白い。 でもここまでは結構ポピュラーみたいだ。 じゃあもっと木を増やしていったらどうなるのだろうか。 木 木 木 = 針葉樹林 木 木 木木木 = 並木道 木木木 木木木木木 木木木木木 木木穴木木 = 森に落ちた隕石 木木木木木 木木木木木 使う機会があればぜひご利用ください。 本日も始まりました、大好評企画『ポップコーンスパの裏側を探ろう』です。 ちなみにこの企画、今回が第一回目です。大抵こういうことを書き始めた時は、ネタが思いつかなかったことのごまかしです。 本日はしょうもないブログとして世界の極々一部で有名なポップコーンスパの作者である、ポップスパについてのトップシークレットを書こうと思う。そう、いまこの文章をパソコンでカタカタと家で引きこもりつつ打っている、この僕のことだ。 実はポップスパは二人いる。 仮に二人をAとBとするならば、今実際にこの文章を打っているポップスパAである僕と、大まかに内容を考えるポップスパBである友人の二人だ。 Bが考えた内容を元にして文章を打つのはAである僕の仕事。それを読んで改善点を指摘し、更新に許可をだすのがBの仕事。漫画家で言えばきん肉マンの作者であるゆでたまごさんのようなものだ。彼らは作画者と原作者の二人組みでゆでたまごと名乗っている。 つまりポップスパというのは二人のグループ名ということになる。 さらに言えばコメント返信を行なっているのはポップスパBだ。Aの僕ではない。コメント返信はやはりポップコーンスパの雰囲気を壊さないように、内容担当のBがやったほうが適切だと思われるのでそうしている。もちろんたまにはAの僕も書いたりしている。 つまり普段僕は、ポップスパAの僕は、人から言われたことをただ機械的に文章にしているだけなのでとても楽だ。うーん、これなら毎日更新だって全然つらいことなんてないね。Bは内容を考えるので大変だろうけれど、アイツは普段からアホなことばっかり考えているから、そんなに苦にはなってないみたいだし。 いやー、ブログを分担作業でやってよかったなぁ。 これからはコメント欄にポップスパAさんへとかBさんへとか書いてくれたらちゃんと指名された方が反応することにしたので、よろしくお願いします。 それではまた明日。 「うーん、今日の更新は何を書こうかな。誰か考えてくれないかしら。あ、実はポップスパってのは二人いて、僕は他人から言われていることをただ書いているだけですよ、ってことにしてみるか。内容はいつも他人が考えていますよって設定で。うん、これはおもしろいかもな」 ということで今回のテキストを書いてみた。自分で書いておいてなんだが、発想がくだらなすぎる。 僕の頭はしょうもないことしか考えられないようなプログラムなので、これからもますますしょうもないことを書き綴っていこうと思う。 一応書いておきますが、日本中世界中探してもポップスパなんてアホは一人しかいません。 二人もいたらもはや災害です。国益を蝕む害虫です。よろしくお願いします。 僕は小学生の頃、肝試しということで夜の山に行ったことがある。 僕の住んでいたところは田舎だったので、自転車で10分程度走れば小さい山に行くことができた。そこには山道もあったがかなり昔の道らしく、その当時ですら人の通りなんてほとんどなかった。今考えると山中に畑があったことから誰か個人所有のものになっていたのかもしれない。 もちろん小学生時代にそんなことを考えるわけもなく、僕と友人数人は夏の夜、地域の小さな祭りが終わった後に集まった。肝試しのために今からあの山に行こうぜということだ。僕らは小さな懐中電灯を一つ持ち、山に自転車を向けた。 結論を言うとそれはとても怖かった。 勘違いしないでもらいたいが別に幽霊がどうこうで怖いということではなく、単純に暗い山中は道が全然見えないし、懐中電灯の光も弱いしでかなり怖かった。しかも小さいながらも一応しっかりしている山道をずっと行けばいいものを、無鉄砲さだけしか武器を持ち合わせていなかった小学生の僕らは、誰からともなく 「おい、こっちのほうに小さい道っぽいのがあるぜ。こっち行ってみよう」 という提案を出し、不安を覚えながらも情けない姿を見せまいと賛同したのだ。 これが最悪だった。道に迷ったのだ。 引き返そうと思ったときにはもう、僕らの歩いていたところは道なんかじゃない。胸まである草の中を掻き分け掻き分け歩いていたのだ。どこから来たのかなんてさっぱりわからなくなっていたし、時計もなかったので時間も正確に把握することもできない。 これはヤバイとみんな考えていただろう。僕ももちろん考えた。こっちから来たんじゃないかと思われる道を適当に歩き、懐中電灯の光で周りを見て道らしきものを探し、帰路である確証のない方向に向かってまた歩き始める。事態は好転しているのか悪循環なのかそれすらもわからなかった。 またある地点で足を止めると、懐中電灯でぐるぐると周囲を見渡す。僕らの期待を一心に受けるか弱い光が畑を照らし出したのがわかった。この畑は僕らが山に入ってすぐ見たものと一緒のものだった。僕らは、遭難と言えばあまりに大げさだけれども、山で一夜を過ごすようなことにはならなかった。 山から出て、自転車で帰り道の途中にあるコンビニに寄った。時計を見ると僕らが山に入ってから1時間と少ししか経っていなかった。山で道に迷っていた時間なんてほんの3、40分でしかなかったのだ。これなら家族や周りの人も僕らが勝手に山に入ったなんてわからないだろう。その事実に驚くも安心して、それぞれの帰路に着いた。 僕らは、幽霊なんかよりも、夜の山道なんかよりも恐れていた母親の怒りに触れることはなかった。 次の日の昼間にその山を訪れた。僕らが歩いていたのはほんの少し山道を外れていただけで、それは冒険というにはあまりにかわいいものだったけれども、あの夜にこの山は間違いなく僕らに牙をむいていた。そう感じている。 気がついたらもう8月になっていますね。 年々時間の進み方が加速しているんじゃないかと思うほど月日の経つのが速く感じているおっさんな僕。ちなみに僕の体内時計はまだ7月前半くらいだったりする、2004年の。 小学生時代の夏休みなんてもう永遠に近い時間だった。 午前も午後もぶっ通して友達と遊び、夜は兄弟と遊んで、疲れたら寝る。そんな生活を一ヶ月も繰り返していると、もう学校なんてとっくの昔に消滅してしまったんじゃないかと錯覚するくらいだった。 もちろん宿題のことなんてまったく考えなかった。なんたって僕の脳内では学校は消滅しているからね。夏休みが終わってから学校でせっせと他人のを写すという最悪のテクニックを駆使していた。 その中の一つ、夏休みの自由研究なんてもっとひどい。 工作という名目で何かを作って持っていくのが一番簡単だったので、僕は工作を選び、しかも数年前に兄が作ったやつをまんま持って行った。クオリティも低く、兄が作ったものであることがバレるわけもないので、毎年これをやっていた。 つまり僕は小学生時代まったく宿題をやっていないことになる。いやぁ、卒業できてよかったなぁ(義務教育) ラジオ体操の出席確認ハンコも自分でペタペタ押していたしなぁ・・・・・・。 大学生の今でも他人のレポートを写し、出席も友人に頼んだりする僕は、まったく小学生時代から進歩していないので、子供心を忘れない純粋無垢な大人だと思います。 |